御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
知っていて、俺に連絡がいかないように取り計らったのではないか。

叔父はお決まりの笑みで肩をすくめる。

「だからね。俺はなにもしていないんだよ。決めたのはすべて彼女だ。俺はただ、皇樹のためを思って行動してほしいとアドバイスしただけなんだよ」

そうやって言葉巧みに彼女の逃げ場を奪っていったのだろう。背筋にぞっと怒りが伝う。

「そもそも、その子どもは本当に君の子なのかなあ? お金目当てに嘘をついている可能性はない? DNA鑑定を……なんて言ったら、楓さんに嫌われちゃうかなあ」

この期に及んで、まだ俺たちの仲をかく乱しようというのだから、いっそ感服する。

「……これ以上、彼女を蔑まないでください」

鋭く睨みを利かせると、彼は「ごめんごめん」とソファから立ち上がった。

「だってさ。君は俺の、たったひとりのかわいい甥っ子なんだから。兄が死んだ今、立派な後継者になってほしいんだ」

俺の背後に回り込み、肩に手を置いてくすりと笑みを浮かべる。そんなことを微塵も思ってはいないくせに。

「その重責を、変われるものなら変わってやりたいよ」

「結構です」

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