御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
とどのつまり、叔父は久道グループ代表の権力を手に入れたいだけだ。そして、俺が継いだ今もまだあきらめてはいない――。

「俺は楓と結婚します。これ以上、邪魔はしないでください」

それだけ言い置き、久道運送本社をあとにした。

送迎の車に乗り込んだ俺は、すぐさま同乗していた個人秘書に尋ねる。

「叔父について調べはついたか?」

彼が怪しいと踏んですぐ、身辺を調べさせた。おそらくまだなにか企んでいる。経営者としての――久道家跡取りとしての直感だ。

「調査中です。ですが、いくつか気になる点が」

秘書が報告を読み上げる。その声を聞きながら、俺は頭を巡らせた。




イギリスに戻り一カ月が経った。

楓とは定期的に連絡を取っていて、週末になると子どもたちの写真が送られてくる。俺の子どもだと打ち明けたからには、成長の報告は義務だと考えているらしい。

こちらからも役立ちそうな実用品や、衣類、おもちゃなどを贈った。

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