御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「皇樹さんの気持ちは嬉しいです……ですが、子どもたちを健やかに育てるという意味では、ひとつ」

なにか言いたいことがあるのか、楓がこほんと咳払いをする。

かと思えば、意思の強い目でこちらを睨んできたので、俺は目を丸くした。

「皇樹さん。甘やかし過ぎです」

思わず「……え」と間抜けな声を漏らす。

「この一カ月も、たくさんの贈り物をくれたでしょう? 服にバッグに靴に、子どもたちのおもちゃに、高級なお肉やお米まで。そりゃあ助かりましたし、子どもたちも大喜びでしたが――」

楓がふるふると拳を震わせる。

「あんなにいっぱい、子どもにおもちゃを与えてはいけません!」

ハッとした。これまで愛せなかった分、甘やかしてやれなかった分とたくさん送っていたが、教育に悪いと言われれば返しようがない。

「私にも高価なブランド品をたくさん贈ってくださいましたよね。皇樹さんは私の好きなテイストを熟知していて、チョイスも完璧ですし、バッグを新調するなんていつぶりだろうって、嬉しくて舞い上がりそうでしたが」

そんなに嬉しかったのか。喜んでもらえてよかったとひとまず安堵する。が、続きがありそうだ。

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