御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
ふたりの頭に手を置いて、ありがとうとお礼を言う。ふたりはよくわからないのか、きょとんとしてこちらを見上げた。

「あの、嬉しくなかったわけじゃないんです! ひとつひとつ、考えて選んでくれたのだとわかりましたから」

なるべく彼らの生活に適したもの、実用的なものを贈ったつもりだ。

とくに子どもは、使い方を間違うと怪我をするものや、食べられない食品も存在する。アレルギーの有無も確認した。

楓だって、子どもと一緒に生活しているのに、派手な服やヒールのある靴など使えない。厳選したという意味では、無駄なものはなかったと思う。

「でも、混乱してしまって。贈り物だけでもびっくりしていたのに、マンションもプレゼントだなんて。どうやってお礼をしていいのか」

楓が慌てて言い募る。俺に気を遣っているのがわかって、申し訳ない気持ちと同時に、彼女らしいなあと胸に温かさを覚える。

「お礼をしているのは俺の方だ。子どもたちをこんなに元気に育ててくれた」

子どもたちは相変わらずきょとんとしているが、なんとなく意味が伝わったよう。

「このおうちも、ぷれぜんと?」

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