御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
ドアの先には、ホワイトとラベンダーカラーを貴重とした、女の子らしい部屋が用意されていた。ふわふわのぬいぐるみやクッションがたくさん並んでいて、天蓋付きのベッドもある。

「かのんの……へや!!」

「気に入った?」

柑音がこくこくと頷く。そんなにたくさん首を振ったら、すっぽ抜けそうだと苦笑する。

「それから、こっちはクローゼット。お洋服は全部柑音のものだよ」

クローゼットにはすでにたくさんの服がかかっている。中にはプリンセスのようなひらひらのワンピースもあって――。

「おひめさまの、どれす!」

まだ背が届かない柑音の代わりに、ラックからピンク色のドレスを抜き取り、彼女の前にあてる。クローゼットの奥は一面の鏡になっていて、お姫様になった柑音が映った。

「よく似合ってるな。本物のお姫様みたいだ」

「わぁ! わぁぁ!」

柑音が本当に嬉しそうに、ドレスと俺を交互に見つめる。

俺はひっそりと安堵する。喜んでもらえて救われた。ようやく、この子の幸せに貢献できた気がして。

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