御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
部屋を出て、書斎、セカンドリビングをざっと案内したあと、一階に降りてリビングに向かう。

手前にキッチンとダイニングテーブル、奥にはローテーブルとソファをゆったりと配置したリビング。

フローリングは柔らかい素材を使い、子どもたちが転んでも危険がないように配慮した。角のあるものも徹底的に除き、安全安心な一室に仕上げてもらっている。

「素敵……」

楓のそのひと言を聞いて、気に入ってくれたのだと安堵する。

子どもたちは庭へ繋がるウッドデッキを見つけ、走っていった。

窓を開けてやると、備えつけの子ども用のサンダルを見つけ、きちんと履き替えて外へ出る。

……こういうところ、すごく礼儀正しいよな。

まだまだ二歳半なのに、丁寧に躾けられているのを感じる。楓の教育の賜物だろう。彼女自身、育ちがいいから、子どもたちも真似をするのかもしれない。

芝生ではしゃぎまわっていた子どもたちだったが、しばらくするとふたり手を繋いでこちらに戻ってきた。柚希が無垢な目でじっとこちらを見つめる。

「パパのへやは?」

「えっ」

驚いたのは、初めてパパと呼ばれたから。それから、柚希の中で俺と一緒に住むことが前提になっていたからだ。

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