御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
第六章 あきらめの悪いプロポーズ


まさか家をプレゼントされるとは思わず、どうしたらいいのかわからない。

皇樹さんの立場を考えれば、これ以上私たちに関わらない方がいいのではないか、受け取らない方がいいのではと、そんな考えが頭をよぎる。

とはいえ、柚希も柑音もとても嬉しそうにしているし、皇樹さんも幸せそうなふたりを見つめて満足そうにしているし、意地を張って拒むのも違う気がする。

さらに、子どもたちが皇樹さんをパパと呼び始めてしまい、私の葛藤をよそにどんどん親子の絆が深まっていく。

紅葉ったら子どもたちに〝パパ〟と教え込んだ? よりを戻した方がいいと言っていたから、こっそり吹き込んでいても不思議じゃない。

……すんなり皇樹さんと家族になれるなら、こんなに悩んでいないよ。

後先考えず、今すぐこの家で皇樹さんと一緒に暮らせたら、どんなに幸せだろう。そう思うと、ぎゅっと胸が苦しくなる。



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