御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
ひと通りの日用品が揃っていたので、今夜はここでお泊まりすることになった。

皇樹さんは一度帰ると申し出たが、子どもたちの猛反発にあい、リビングのソファで一晩を過ごすことに。広々としたソファは背の高い皇樹さんもすっぽり収まるので、寝心地の悪さを心配する必要はなさそうだ。

ちなみに、柚希の部屋の秘密基地で一緒に眠るという案も出たそうなのだが、テントには皇樹さんの上半身しか収まらず、廃案になったのだそう。

……普通は夫婦揃って主寝室で眠るものだろうけれど。ベッドは幸か不幸か、これみよがしなサイズ。

しかし、再プロポーズの結論すら出せていない宙ぶらりんな状態で共寝をするのはどうなのだろうと躊躇って提案できずにいる。

夜、自分の部屋で眠ると張り切っていた子どもたちだったが、ひとり寝はまだ怖かったのか、結局ふたり揃って柑音の部屋にある天蓋つきのベッドで眠った。

皇樹さんがシャワーを浴びて、リビングに戻ってくる。男性用の寝間着や新しいシャツはコンシェルジュに頼んで用意してもらった。

「ありがとうございました。子どもたちによくしてくれて」

ソファに座りあらたまってお礼を伝える。彼は濡れた髪をタオルで拭きながら、正面の背もたれに手をかけた。

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