御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「その気持ちは、今も変わっていないと思っていい?」

驚いて彼を見つめると、優しそうな眼差しは、いつの間にか真剣なものへと変わっていた。

「……私、本当に皇樹さんの隣にいてもいいんでしょうか」

「叔父にそう、吹き込まれたのか?」

核心的な言葉にハッとする。確かに、洸次郎さんからの忠告もあったが、もともと私自身が気にしていたことだ。誰のせいかといえば、至らない自分自身だろう。

「自分がそう感じていたんです。没落した経営一族の娘が嫁いだら、皇樹さんに迷惑がかかってしまう。子どもたちも、受け入れてもらえないかもしれないって……」

皇樹さんは切なげに目を細め、距離を詰めてきた。そっと私の後頭部に手を回し、なだめるように撫でる。

「父は生前、楓を受け入れていたよ。まあ、俺が仕事で成果をあげるのが条件だったけれど」

「お父様が……結婚してもいいと?」

「ああ。今俺は、名実ともに久道グループの代表になった。政略結婚で作ったコネなんかじゃなく、実力で勝ち取った座だ。子どもの頃からの努力がようやく報われた」

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