御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「ママは、パパと、結婚しようと思うの」
ぽかん、という反応だった。そもそも『結婚』というワードがわからなかったのかもしれない。
「パパに、またあえる?」
柑音がちょっぴり不安そうに尋ねてくる。
「うん。パパがお仕事から戻ってきたら、あの大きいおうちでみんな一緒に暮らしてもいい?」
すぐに理解して「やったぁ」と飛び上がったのは柚希だ。遅れて柑音もはにかんで笑う。
「パパのこと、好き?」
少しドキドキしながら尋ねてみると、ふたりは大きく「うん!」と頷いた。
「パパ、ママをたすけてくれるでしょ?」と柑音。
「パパがいると、ママもうれしそう」と柚希。
……そんなに顔に出ていただろうか。恥ずかしさを覚えながらも、ふたりの反応に安堵する。
それから三週間後の日曜日。私たちは皇樹さんが用意してくれたマンションに入居。皇樹さんも一時帰国して、引っ越しを手伝ってくれた。
「パパ、どこでねる?」
「かのんのへや、くる?」
「ひとりでねれないんだ」
「ちがうもん~」
放っておくとすぐ喧嘩し始めるふたりを連れて、皇樹さんは二階へ向かう。