御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「パパとママとねるー!」

駄々をこねるふたりを見て苦笑する。

「個室はまだ少し早かったかな。……よし、じゃあこうしよう」

その日の夜、私と子どもたちがお風呂に入っている間に、皇樹さんはセカンドリビングを大改造。来客用の布団を横に並べて寝室にした。

「お部屋に慣れるまで、ここに四人で眠ればいい」

子どもたちは「わーい!」とお布団に飛び込む。

柚希と柑音の両サイドを囲むように、私と皇樹さんが横になり、寝かしつけタイムだ。疲れていたようで、すぐにすやすやと寝息が聞こえてくる。ふたりがしっかり寝付いたのを確認して、私たちは部屋を出た。

皇樹さんもシャワーを浴び、私とお揃いのシルク素材の寝間着に着替える。

それから私たちは、主寝室にあるバルコニーに出て、ガーデンチェアに腰かけた。

月が見えて綺麗だ。日中暑かったせいもあり、夜風はほんのり冷えるが上着が必要なほどではない。

「来月から、こうして四人で暮らせると思うと夢みたいだ」

「私もです。こんな日はこないと思っていたのに」

「子どもたちがパパって呼んでくれて、自然に家族に迎え入れてくれた。安心したよ、危うく悪者にされるところだった」


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