御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「当然だ。ふたりの関係が壊れるリスクとか、楓の体に劣情を向ける罪悪感とか、いろいろ苛まれながら、楓の人生全部背負ったつもりで抱いた」

「そんなに……?」

とても緊張しているとは思えない滑らかなエスコートだったけれど、想像以上の覚悟だったよう。彼は顔を上げ、目の前でフッと甘く微笑んだ。

「……でも、それ以上に抱きたい欲が勝ってた。楓を手に入れたい、自分のものにしてしまいたいって。ほかの男に触れさせてたまるかと思った。今もそうだ」

そう言って私の頬に手を添えて、愛おしげに目を細める。

「楓が欲しい。今だけはパパじゃない、ひとりの男として楓を手に入れたい」

優しく、でも力強く口づけを落とされ、彼の覚悟のほどを知る。私を心から求めてくれているのだとわかるから、私の全部を差し出して、全力で応えてあげたい。

「ベッドに行こうか」

そう言って立ち上がると、私を横抱きにして持ち上げた。

「きゃっ――皇樹さん!?」


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