御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「ええっ……ええええ!?」

オーナーが驚きすぎて飛び上がる。

「よ、喜んでいいのよね?」

「はい……その、紆余曲折ありましたが、丸く収まりました」

「よかったじゃない!」

手を叩いて喜んでくれるオーナーに、私は姿勢を正して向き直る。

「これもオーナーのおかげです。楽しく働かせてもらって、充実した子育てができて。今幸せでいられるのは、そんな日々の積み重ねがあったからで……」

オーナーのポジティブさが、私のシングルマザーだった頃の不安を吹き飛ばしてくれたから今がある。

「よかった。芙芝さんの幸せそうな顔が見れて。結婚、おめでとう」

オーナーは目にじんわりと涙を浮かべながら、私の手を両手で包み込み、力強く握った。




その日の午後。秋服の新作として、四人の写真を店のブログにアップした。

閲覧数といいねの数がうなぎのぼり。双子のかわいさに加えて、モデル級のスタイルをしたパパ役は、顔を隠してもイケメンオーラが駄々洩れである。

おかげさまで親子コーデは即日完売。

「入荷数、増やさなきゃダメね」

オーナーが喜びの悲鳴を上げた。




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