御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
第七章 彼が永遠を誓う相手は……?


それから一カ月が経った十月の始め、皇樹さんがイギリスから帰国した。今後は久道グループの代表として日本から全世界を指揮するという。

スケールが大きすぎてピンと来ないけれど、とにかく忙しそう。終業後も頻繁に電話がかかってくるし、帰宅時間が遅い日も多い。

それでも家にいる間は家事を手伝ってくれたり、子どもたちの相手をしてくれたり。いいパパである。

その日、珍しく皇樹さんが早く仕事を終え、子どもたちを保育園に迎えに行ってくれた。

園には事前に連絡したものの、突然高貴な紳士が迎えにきたら、先生も居合わせた保護者もびっくりだろう。

今頃、騒然としているのかなあ……。

そんなことを思いながら、ひとり帰路に就く。

「ただいま」

私が玄関のドアを開けると、家の中から明らかに〝カレー〟という香りが漂ってきた。

もしかして、皇樹さんが手作りしてる? 夕飯は用意しておくと言うから、てっきりデリバリーを頼むと思っていたのに。

子どもたちが玄関に飛んでこないところを見ると、リビングはパパと子どもたちでさぞ盛り上がっているのだろう。

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