御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
尋ねると、笑顔で「うん!」と返ってくる。

「楓は? おいしい?」

「もちろん!」

そういえば、誰かが作ってくれたご飯を食べるのは久しぶりかも。だから余計においしく感じられるのかもしれない。

「でも、大変だったでしょう?」

尋ねると、皇樹さんがカレーを口に運びながら苦笑した。

「俺はたまにだからいいけど、毎日ってなると大変だよな。メニューを考えるのも悩ましいし。俺が夕食当番なら、カレーとスパゲティを交互に出しちゃいそうだ」

「かのん、すぱべてぃーすきぃー」

「ゆずもー!」

「じゃあ、次に作るときはミートソーススパゲティにしよう」

思わず「ふふっ」と笑みを漏らす。子どもたちにとってはカレーとスパゲティが続いたら天国だろう。間にハンバーグが入ったらさらに完璧だ。

とはいえ、栄養バランスを考えたらそういうわけにもいかず、悩ましいけれど。

「ほら、お野菜も食べよう」

野菜全般そこまで好きではないふたりに、コールスローはなかなかハードルが高いようだったけれど、コーンがたくさん入っていたおかげか、渋い顔をしながらも完食する。

「すごいな! 全部食べられた」

「たくさん食べて、えらいね!」
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