御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
パパとママから褒められて、ふたりはすっかり得意顔。「ごちそうさまでしたー」と元気に声を合わせる。
私と皇樹さんは顔を見合わせて、安堵したように微笑み合った。
その日の夜。子どもたちを寝かしつけると、私たちはシャンパンを持って寝室のバルコニーに出た。
「外がすっかり涼しくなりましたね」
「風邪を引かないように、これを着て」
皇樹さんにガウンを渡され、袖を通す。私たちは横並びのガーデンチェアに座って乾杯した。
「アルコールなんて久しぶりです」
「甘めを選んだから飲みやすいよ」
そう言ってグラスに注いでくれたのは、ピンクゴールドのロゼ。香りは桃、味はクランベリーのような酸味と爽やかさがあって、ぐいぐい呑めてしまう。
添えてあるのは、カラフルなマカロン。甘いと甘いの掛け算なのにフルーティーさが際立つせいかしつこくなくて、口の中がとても幸せ。
「楓の疲れが取れるように」
「嬉しい」
その気遣いが彼らしい。いつだって彼は自分より私を優先してくれる。
だからこそ心配になるときもある。彼が無理をしているんじゃないかって。
「皇樹さんは疲れていませんか? 日本での仕事も家庭も慣れないことばかりで」