御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
そして私たちは家族になるための一歩を踏み出した。両親から了承を得るべく芙芝家を訪れたのだ。
居間には私と皇樹さん、私の両親、そして兄弟を代表して蓮兄の五人がいる。
柊兄と椿兄はすでに結婚して家を出ていたけれど、この日のために集まってくれた。今、奥の部屋で柚希や柑音の相手をしてくれている。
たまに歌声やはしゃぐ声が聞こえてきて和やかだ。対して居間は静まり返り、空気が張りつめていた。
「まずはお詫びさせてください」
皇樹さんが畳に手をついて、深々と頭を下げる。
「これまで楓さんと子どもたちへの責任を果たせず、申し訳ありませんでした。非はすべて私にあります」
両親は困惑顔で皇樹さんを見つめている。彼が久道家の人間でなければ、怒鳴りつけていただろう。それ以前に、敷居をまたがせなかったに違いない。