御曹司様、あなたの子ではありません！～双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした～

フランスやイタリアのショップに足を運び、ときにはデザイナーのアトリエに直接赴き、親子で着られるかわいい服を買い集め、セレクトショップ『ファニーグランマ』を立ち上げたのが三年前だそう。

店のコンセプトは『娘と孫に着せたい服』、それがショップ名の由来にもなっている。

「今日も朝からひと仕事、大変だったわね。お疲れ様」

朝なのにお疲れ様――まるでこれまでの戦いを見てきたかのような口ぶり。

自身も忙しい朝を経験してきたから、よくわかるのだろう。子育てに理解があり、働くママさんの味方だ。

出勤時間はいつでもいいとは言われているが、私の場合は朝九時に来て、開店まで事務作業や陳列を手伝わせてもらっている。

ブログの管理も私の仕事。さっき親子で撮った写真もパソコンで軽く加工を施してアップする予定だ。

「あ、その服、着てくれたのね。着心地はどう？」

オーナーが私の服装を見てこちらにやってきた。屈んだり遠ざかったり、いろいろな角度から着用の具合を観察するので、手を広げてくるりと回ってみせる。