御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「洸一殿から話には聞いています。弟の洸次郎殿は野心家で、目的のためなら手段を選ばない性質だと」

「ですが、父から代表を受け継いだ今、立場は私が上だ。もう好き勝手はさせません」

決意を表すかのように、力のこもった目で父を見返す。

「亡き父は、楓との結婚を認めてくれていました。まして代表を受け継いだ今、私の結婚に文句を言うような人間はいない。私は生涯をかけて三人に尽くすつもりです」

毅然とした態度で宣言する皇樹さんに、父は小さく頷いた。

「皇樹殿が楓とその子どもたちを任されてくれるというのなら、私どもも異論ありません」

「必ず三人を幸せにします」

目線で約束を交わすふたり。そこで反応をしたのは、今の今まで無言を貫いていた蓮兄だった。

「楓の勘当は解かれたって理解でいいんですよね。その件について、父さんからの謝罪はないんですか?」

居間が再びシンと静まり返った。冷静な蓮兄が父を煽るような発言をするとは思わず、私は目を見張る。

態度は相変わらず冷静で、朗らかな表情をしているが、内にふつふつと煮えたぎるような感情が見えるのは――私の気のせいだろうか。

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