御曹司様、あなたの子ではありません！～双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした～

「実際のところ、皇樹さんの子どもだと知ったなら、久道家になんらかの申し入れをしていたんじゃないですか？　それを楓が危惧するのは当然です」

蓮兄が眼差しを険しくして、目線をすっと横にずらす。そこにいたのは父だった。

「あなた方はどんな事情があれ、子どもたちの話など聞かない。紅葉のときもそうだった」

「あれは、手に職もつけずふらふらしているから――」

「投資家は立派な職業ですよ。認めていないのは父さんだけだ。皇樹さん、代表取締役社長の立場から見て、個人投資家という職業についてどう思われますか？」

突然話題を振られ、皇樹さんはわずかに目を見開く。

しかし、姿勢を正し父に向き直ると「私も蓮さんの意見に賛成です」と切り出した。

「紅葉さんと話をさせてもらいましたが、投資家として立派に活動されているように感じました。私たち経営者は、ああいう方々に助けられているので」