御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「とにかく軽くて涼しいのがいいですね。動きやすいですし」

朝、子どもたちと一緒に撮った写真を見せると、オーナーは「かわいい~! 三人とも最高」と手を叩いて大喜びしてくれた。

「ふたりも喜んで着てました。色がわかりやすいのがいいのかも」

子どもたちが率先して着てくれると、母的には大助かりなのだ。ぐずる子に服を着せるのは大変だから。

「嬉しい~。子どもたちにも気に入ってもらえるなんて」

「お母さんたちにも刺さると思いますよ。このトップス、シルエットが上品なのでラフになりすぎませんし、普段はもちろん、お仕事やお出かけでも着られますから」

「うんうん、動きやすさは必須だけど、きちんと見えるのも大事よね~」

オーナーは二十代の頃にモデルをしていたそうでファッショナブル。流行にも敏感で、今のママさん世代にもピタッとはまる服を選ぶのだから見事だ。

「いや、ほんとに。この親子コーデをイタリアで見つけて来た私、天才じゃない? グッジョブだわ!」

自分のことも、他人のことも爆褒めする。自己肯定感が高く、とにかく幸せオーラに満ち溢れている人で、見ていて気持ちがいい。こちらまで不安が吹き飛んで元気になる。

シングルマザーは決して楽ではないけれど、それでも毎日子どもたちと笑って暮らせるのは、彼女のポジティブさに少なからず救われているのだと思う。

「さっそくブログにアップしますね」

「お願いね。反応が楽しみ!」

< 20 / 255 >

この作品をシェア

pagetop