御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「わかった。ママが柑音のパンツを急いで取りに帰るから。少しの間だけ、これを穿いてて? このままじゃお腹が冷えちゃうもの」

すごーく嫌そうだが、渋々頷く。不満顔の柑音を連れてリビングに戻った。

紅葉に事情を説明し、私が下着を取りに帰っている間、子どもたちのお世話をお願いする。車を出そうか?と言ってくれたけれど、そこまでの距離ではない。全員で出かける準備をしている間に到着してしまいそうだ。

三人に見送られ、私は貴重品の入ったショルダートートだけ下げてマンションを出た。

「柑音のこだわりが強くなってる気がする。イヤイヤ期かしら」

皇樹さんに知られたら、頑固さが私にそっくりだと言われそう……。そんなことをぼんやりと考えながら自宅に向かう。

しばらく歩いていると、金髪の女性がスマホを片手に周囲をきょろきょろ見回していた。見るからに道を探していますといった歩き方。

距離が近づくにつれ、顔立ちがはっきりしてくる。透き通るような白い肌、青みがかった瞳。顔立ちは大人びているがあどけなさもあり、二十歳前後といった印象。身長は私より少し高くて、すらりとしているのに胸が大きい。

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