御曹司様、あなたの子ではありません！～双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした～

その目をじっと見つめていたら、私の心がいかに歪み淀んでいるか、思い知らされたような気がした。

ねえ楓、と私は自問自答する。

私の愛した彼はこの子たちの信頼を裏切るような人？

『今も昔も、愛しているのはたったひとり、君だけだ』――あの言葉が嘘だと思う？

私の目を曇らせているのは、彼に裏切られるかもしれないという、なんの根拠もない恐怖だ。その裏にあるのは、自分が傷つきたくないという保身。臆病になっているだけ。

私が彼を信じてあげなくて、どうするの？

「うん……そうだね」

まずは子どもたちと一緒に、自分の愛した人を信じよう、そう決める。

そのとき、ドアフォンが鳴った。来客を知らせるチャイムだ。ダイニングにいた紅葉がすかさず応答する。

「……あー、そのパパがお迎えに来たみたいだけど。通していいかな？」

おずおずと尋ねてくる紅葉に、私も子どもたちも「うん」と大きく頷いた。




「楓！」

玄関に上がるなり、出迎えた私を捕まえ強く抱きすくめる皇樹さん。

「探したよ。また君が俺の前から姿を消してしまう気がして」