御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
子どもたちはガバッと振り向き「行く行くー!」とはしゃぎ始める。

「パパとママはー?」

「いっしょにいく?」

「ママは疲れてるみたいだから、パパと一緒にお留守番してもらおう。帰ってくる頃には、きっとママもパパもにっこにこだよ」

紅葉の言葉に子どもたちはすんなり納得する。

「パパ。ママをたすけてくれるんでしょ?」

「ママ、かなしいの。げんきにして?」

ふたりからお願いされて、皇樹さんは「わかった」と深く頷いた。

「大丈夫だ。パパが絶対にママをにこにこにするから。安心して遊んでおいで」

「うん!」

「いってきます!」

私たちに手を振って子どもたちが玄関を出ていく。

「紅葉、ありがとう」

そう声をかけると、彼は「どーぞごゆっくり」と困ったように笑って玄関のドアを閉めた。

残された私たちは、お互いの顔を見合わせて、あらためて抱きしめ合った。

「二度と離さないなんて誓っておいて、もう何度、楓を不安にさせたかわからない」

「私も。何度皇樹さんを疑ってしまったか。ごめんなさい、さっきは逃げ出してしまって」

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