御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「皇樹さんが、今私を愛してくれているというのなら、それだけを信じます」

しかし、彼は納得いかないようで「待って」と私の肩を抱いた。

「その言い方だと、まるで俺が浮気を隠しているみたいに」

「そこまでは……思ってませんけど」

「今、迷った?」

「ま、迷ってません……!」

本当はちょっとだけ迷った。疑り深さは生来の性格なのか。信じているといいながらも心のどこかで引っかかってしまうのだから質が悪い。

「……本当に、愛しているのは楓だけなんだ」

私を抱き寄せ、額をこつんとぶつける。そんなまいっている彼をかわいいと感じてしまう私は、ちょっぴりいじわるなのかもしれない。

「楓。ピンク色の薔薇をプレゼントしたあの日から、君以外の女性を見たことなんて一度もないよ」

「ありがとう、ございます。……私も、同じです」

許嫁という存在を認識したあの日以来、ずっと彼だけを見てきた。目移りしたことなど一度もない。

ちゅっと鼻先に慰めのような口づけが降ってくる。観念して彼の肩口に顔を埋め、身を預けた。

「ちゃんと信じていますから」

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