御曹司様、あなたの子ではありません！～双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした～

「洸次郎さんをグループ会社の代表に任命したのは父です。もうこの世にはいないのだから、責任の取りようもない」

まさか亡き父親に責任をなすりつけるとは思わなかったのか、叔父が嫌悪感丸出しで顔を歪める。

「後を継いだ私が父親の時代の不正を明るみにし、正したとすれば、印象としては悪くないと思いませんか？」

「父親に汚名を着せる気か……！」

「自身が汚名を被ることで久道グループが浄化されるなら、父も本望でしょう」

「とんだ親不孝者だな、お前は！」

テーブルに拳を叩きつける。ようやく本性を出し始めた叔父に、メアリーが静かに告げる。

『ミスター・サンジョウ。私たちハワードグループとしても大変遺憾です。仲介役であるあなたが我々を騙していたことに、お父様は激しく憤っています』

秘書がタブレットを持ち上げ操作する。再びテーブルの上に立てかけると、画面にはメアリーの父親でありグループの代表を務めるハワード氏が映し出されていた。

『は……？　ハワード氏……？』

タブレットを通じてリモートで繋がっていることに、叔父が動揺する。