御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「肉団子はでっかいから半分分けしてー。野菜スープは味が濃そうだからちょっとお湯で薄めようかー」

「ゆず、たまご、すきー!」

「はいはい、みんな大好きなオムレツもちょっきんちょっきん。ブロッコリーは小っちゃくちぎちぎしましょう」

「かのん、ぶっこりい、きらい~……」

「なに言ってんの、栄養もりもりだよ、ぶっこりい。んで、ご飯をまん丸に盛ったらスペシャルお子さまランチの完成でーす」

大人用のデリバリーを器用にアレンジして、お子さまランチを作り上げる。

子どものいない紅葉に二歳児のご飯なんてさっぱりわからないはずだが、私が作る食事を見て、なにをあげていいか、あげちゃいけないのか、覚えてくれたみたいだ。

「本当に助かるよ。紅葉」

食卓に合流すると、紅葉はエプロンを脱ぎながら「手料理なんて出来ないけどねー」と苦笑した。

「楓はすごいよ。仕事から疲れて帰ってきて、ひとりで子どもたちの面倒見ながら晩ご飯手作りして。夜中も保存食づくりで忙しいんでしょ?」

「出来合いのものは高いからね……とにかく節約」

私しか働いていないこの状況で、エンゲル係数を上げるわけにはいかないのだ。

< 26 / 255 >

この作品をシェア

pagetop