御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「結局、紅葉にばっかり迷惑をかけることになっちゃった。ごめんなさい」

「別にいいよ。そこまで無理してるわけじゃないし」

紅葉はむくっと頭を起こして、無邪気に遊ぶふたりに目線を向ける。

「申し訳ないって思うんだったら、将来俺が結婚して式を挙げるときは、楓たち三人で親族席賑わしてよ。親族誰もいないってのも相手に悪いでしょ?」

うちの両親は投資家という仕事に否定的だ。会社に属して働く、あるいは投資家として企業し、従業員を雇うようになれば認めてくれるのかもしれないが、フリーで気ままに働くスタイルが昔気質の父には理解できないらしい。

年収だけなら、社長だった頃の父以上に稼いでいるのに、一人前と認めてくれない。このご時世、企業に勤めたって安定しているとは言えないのに、いまだ終身雇用に固執している。

だからこそ家業も潰れてしまったのだろう。その反省をまったく活かせていないのが悲しい。

当然、結婚をしていないのに妊娠した私にも否定的で、紅葉ともども勘当されてしまった。『出来の悪い双子』というレッテルを貼られて……。

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