御曹司様、あなたの子ではありません！～双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした～

「連絡が取れなくなってから、何度も楓を探しに日本に来たんだ。ここに来れば会えるんじゃないかと藁にも縋る思いで足を運んで――ようやく会えた」

その感極まった言葉から、本気で私を探してくれていたのだと理解する。

でも、どうして今さら私を探すの？　彼は家業を継ぐために、イギリスに住む良家の令嬢と婚姻を交わしたのでは？

「もう、日本には帰ってこないのかと……」

「俺は待っていてほしいと言ったはずだ。帰ってきたら結婚しようと」

『結婚』という言葉に胸が揺さぶられる。もうあきらめたはずだ、彼と一緒になるのは不可能だと。なのに……。

「三年も待たせることになって悪かった。すべて説明しようと思っていたんだ。なのに、君は俺の前から姿を消してしまって――」

ぎゅっと私を抱きすくめたまま、言い募る彼。

そのとき、足もとになにかがドンとぶつかってきて、彼は言葉を止める。

目線を下げると、いつの間にか柚希と柑音が私たちを取り囲んでいた。

柚希は頬を膨らませて皇樹さんの足を抱え込み、柑音は涙目で私の足にすがりついている。

「ママをいじめるな！　このわるもの！」

「ママをはなしてぇ～……」