御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「っていうか、妹さんもめちゃめちゃかわいいじゃない! 兄妹揃ってレベル高いよ~! あ、兄妹デビュー狙っちゃう?」

なぜか私まで巻き添えになり、名刺を差し出される。

困惑していると、突然皇樹さんに肩を抱かれた。

「彼女、恋人なんです。俺以外の男の目に触れさせるつもりないし、俺も彼女以外の女性の目に留まりたくないので」

聞いているこちらが赤面しそうな理由を告げて、私をおじさんからひったくる。

「もう声はかけないでください。とくに彼女には絶対に」

ちょっぴり怒ったような雰囲気を醸し出して立ち去る。

ちらりと振り向くと、おじさんはポカンとした目でこちらを見つめていた。

……今のは、どういう?

おじさんを撒くための方便だろうか。怒った素振りも演技? それとも本音で怒ってた?

しばらくすると、皇樹さんが「ごめん」と私の肩から手を離した。

「……もしかしてモデルに興味あった?」

私はパタパタと手を振りながら「ないですっ」と言い募る。

「皇樹さんこそ……すごい、ですね。モデルなんて」

「楓も勧誘されてたじゃないか」

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