御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
ぽつりと素直な言葉が漏れる。輝くダイヤのリングが、彼の確かな愛を証明してくれている。

「本当に、皇樹さんはそれでいいんですか? 私と結婚して、後悔しない?」

彼は歴史ある大企業の経営者一族に生まれ、今まさに跡取りになろうとしている。

私と到底釣り合うような人じゃない。それなのに――。

「楓しかいない」

情熱的にそう言って、なんの肩書きも持たない私を抱きしめてくれる。

未来に怯えているのは私だけなのかもしれない。彼は私を信じ、愛してくれている。

「わかりました。じゃあ私と、結婚してくれますか?」

あらためてそうお願いすると、彼はようやく口もとに笑みを浮かべた。

「俺の台詞を奪わないで。プロポーズしているのは俺だよ」

彼は私の左手を持ち上げ、薬指に輝くリングを滑らせる。

「必ず幸せにする」

「私も。皇樹さんに相応しい立派な女性になりたい」

「もう楓は充分魅力的だけど。君自身が納得できる女性になれるように、応援しているよ」

そう誓い合って、約束のキスをする。

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