御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
彼女は見た目が綺麗なせいか、言い寄ってくる男性は数知れず。比較的にほいほい付き合ってしまうのだけれど、親しくなると相手の嫌な面が見えてきて、幻滅して別れてしまうのだとか。

かといって恋人がいないのは寂しいようで、たまに合コンへ足を運んでは運命の相手を探している。

私の話を聞いた彼女が、ひょいっと肩を竦めた。

「小さい頃からずっと一緒で、結婚するのは決まってるけど、恋愛関係には発展しない男か……そんなパターンは経験なさすぎて全然わかんないなー」

大学生になったのにキスすら求められないのはなぜか――そんな悩みを相談してみたけれど、経験豊富な彼女ですらお手上げのようだ。

「私の場合、キスから始まっちゃうから。なんならベッドいっちゃうから。それ以外の恋愛ってわかんない」

「おお……」

次元が違いすぎて、もはや感嘆の声が漏れる。

「そういえば、写真とかないの?」

尋ねられ、数カ月前、遊びに行ったときに隠し撮りした彼の横顔を見せる。ちなみにこの写真を激写した数秒後、すぐ彼にバレて『こら』とご褒美みたいに優しいデコピンをもらったのだけれど。

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