御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「わぁお、イケメン……一応聞くけど、芸能人じゃないよね? 脳内彼氏ってオチはない?」

「ないない! 実在してる」

デコピン後に一緒に撮らせてもらったツーショット写真を見せると、ようやく納得してくれたみたいで、腕を組んでうーんと唸る。

「これ、ライバル多そうだね。相手は大学四年生だっけ? キャンパスで入れ食いなんじゃない?」

「入れ食い……」

女性に囲まれる皇樹さんが容易に想像できて、胸がざわっとする。名門大学に通っているから、周りには私より美人で頭がよくて、育ちのいい女性がたくさんいるだろう。

そういう女性に言い寄られたときでも、彼は私を思い出してお誘いを断ってくれるのだろうか――心配だ。

「でもまあ……許嫁なんでしょ? 結婚は絶対にするんだよね?」

「……たぶん」

「え? 絶対じゃないの?」

「ううーん……」

思えば、最近になって『私たちって許嫁ですよね? 結婚するんですよね?』みたいな確認をした記憶がない。

彼は親の決めた約束を覚えているだろうか。まだ私との結婚を考えてる? それすら自信がなくなってきて、疑心暗鬼に陥った。



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