御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
身長は一六六センチと大きめではあるけれど、まあ普通。顔立ちも若干目鼻立ちがはっきりしている程度で、一般的な日本人である。

「楓。おいで」

彼がベッドに半身を埋め私を招く。彼の方がよほど日本人離れした美貌を持っている。

身長一八五センチで、広めの肩幅と長い手足は、私の体をすっぽりと包み込んでしまえるほど大きい。

艶やかな黒髪に、意志の強そうな眉、知性を感じさせる漆黒の目。すっと通った鼻筋に形のいい唇がバランスよく配置されていて高貴な印象だ。

表情からも育ちのよさと気高さがにじみ出ている。そんな彼が私の恋人だなんて、ちょっと贅沢すぎると思う。

「明日を思うと、眠るのがもったいないよ」

目を瞑ればすぐに時が経ち、別れの時間になってしまう。

「本当は、とっても寂しい」

素直にそう打ち明けると、彼は頼もしく私を抱き寄せた。

「大丈夫だ」

そのまま私の顎を持ち上げて、口づけを落とす。

「ん……」

思わず喉の奥から声が漏れる。

ちょっぴり性急なキスは、彼も不安をごまかしているからだろうか。年上として、男として、私に心配をかけまいとしているのかもしれない。

「皇樹さん……」

< 7 / 255 >

この作品をシェア

pagetop