御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「いろいろって、なんですか?」

「まだ言わせるのか? なんの拷問?」

「私だって、これまで拷問されてきたんです! 皇樹さん、私のこと、全然女性として見てくれないから、不安で……」

またじわりと目に涙が浮かんできて、思い出し泣きしそうになる。

彼はさらに困窮し「あー……」と視線を漂わせたあと。

突然私の腕を引き、自身の胸もとに押し込んだ。

あっという間に自由を奪われ、かき抱くように腰に手を回される。もう片方の手が私の顎をすくいあげ、少し角度をつけた彼の顔が近づいてくる。

唇と唇が重なり合った。かと思えば、彼の指先が私の顎を引き、舌を滑り込ませる隙間を作る。

柔らかな感触を唇の裏側で感じる。さらに強く顎を引き下げられ、大きく開いた口の中にぐっと舌を押し込まれた。

聞いたことのない、甘い水音が響く。同時に、乱され支配されていくような心地よさ。足に力が入らなくなり、彼の胸に身を預けて、体の奥底から噴き出してくる熱にたっぷりと酔いしれる。

これが『大人のキス』。私を女性として見てくれた証――。

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