御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
第三章 あなたのために、子どもたちのために
皇樹さんのお父様は、息子がなんの肩書きも持たない一般女性と結婚することをどう思っているのだろう。ふと心配になった私は、彼に尋ねてみた。

彼曰く、私たちの婚約について、反対まではしていないそう。

とはいえ家業的には良家の令嬢と結婚するメリットの方が断然高いわけで。それを理解した上で別の人と結婚したいというならば好きにすればいい、そういう考え方らしい。

一方、私の両親はいつか婚約を破棄されるだろうと思っているようだ。

久道家に期待はするな。もう家業への就職はできないのだから、しっかり勉強して就職先を探しなさい、とのこと。

そんな中、十月の下旬になり、私は二十歳の誕生日を迎えた。

皇樹さんは今までで一番盛大にお祝いしてくれるつもりのよう。どこへ行きたいかと尋ねられ、咄嗟に出た答えはドライブだった。

彼の車で東京湾を巡って、日が沈む時間に合わせて海浜公園にやってきた。

オレンジ色の夕日を眺めながら、散策路を歩く。日中より風がひんやりと冷たくて肌寒い。

「景色は綺麗だけど、少し寒かったかな」

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