御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「楓。愛してる」

そんな甘い言葉を囁いて、彼は私をベッドに組み敷いた。

心地のいい束縛を感じながら、促されるままミントグリーンのワンピースを肩から外す。

「今夜はどんなふうに抱こうか。激しく? それともゆっくり焦らしてほしい?」

少しいじわるな顔をして彼が尋ねてくる。

「今夜は……皇樹さんの好きにしてください。一年間離れていても、浮気できないくらい気持ちよくなってほしいから」

そうお願いすると、彼は口もとをいたずらに緩めたまま、目つきを鋭くした。

「心外だな、浮気なんてするわけがないのに。不安になりようもないくらい、この身に刻み込んでおこうか」

途端に甘い痺れが体を駆け抜ける。

「ああっ――」

不安なんて吹き飛ぶほど、深く熱烈に交わり合い眠りにつく。

逞しい彼に抱かれて眠る夜は幸せで、迫りくる寂しさを一時的に忘れることができた。



しかし無情にも日は昇り、カーテンの隙間から朝日が差し込んでくる。彼の素肌に光が差して、止まっていた時間が動き出す。

「私のことは、忘れてくださいね」

突拍子もなく切り出した私に、彼はわずかに眉を跳ね上げ、驚いた顔をした。

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