御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
一月は一緒に年始を祝おうと温泉に連れていってもらって、クリスマスは超豪華スイートルームで夜景、誕生日には高価なワンピースとパンプスを贈られ、とにかくプレゼント三昧。

「皇樹さん、甘やかしすぎでは」

「え……これでも君の負担にならないように、セーブしてるんだけど」

これで押さえ気味というのだから、さすがは巨大グループ企業の代表、スケールが違う。

高級な三つ揃えのスーツに身を包む、気高く秀麗な未来の経営者が、私のように平々凡々な一般女性にご執心だなんて誰が想像するだろうか。

嬉しいような、恥ずかしいような、いっそ申し訳ない気持ちになって花束を抱きしめる。

「お返しできないのが、なんだか心苦しいです」

私のお給料では、皇樹さんが持つに相応しい品はプレゼントできない。

いつも一方的にもらってばかり。私があげられるものと言えば、手作りのお菓子くらいだろうか。

赤信号で車を一時停止させた彼は、くすりと笑って私の頬に触れる。

「俺のそばにいてくれるだけでいい。それだけで充分、お返しになっているから」

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