御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「皇樹の叔父の、三条洸次郎と申します」
そう言って名刺を差し出す。名刺には久道郵船、久道運送、久道ケミカル研究所など、久道グループの関連企業が記されている。
彼はそれらすべての代表を務めているらしいのだが――。
「叔、父……様」
皇樹さんに次ぐ跡継ぎ候補として叔父がいるとは聞いていたけれど、予想と違った。なんというか、叔父というには歳が近すぎるような……?
「なにか?」
面食らった私を見て、洸次郎さんまで目を丸くする。
「あ、いえ、失礼いたしました! 皇樹さんのお父様にはお会いしたことがあったのですが、その――」
「ああ、兄と歳が離れすぎていて驚いたと?」
……見透かされてしまった。申し訳ない気持ちになって「すみません……」と恐縮する。
「歳の離れた兄弟なんです。ちょうど兄と皇樹の真ん中くらいの歳ですよ」
皇樹さんのお父様はもうすぐ還暦だと言っていたから、彼は四十代前半くらいだろうかと目算する。
跡継ぎとして名前が挙がるのも納得する。まさに働き盛りといった年齢だ。
「実はどうしてもあなたと一度、お話がしたくて、皇樹には内緒で会いにきてしまったんです」
そう言って名刺を差し出す。名刺には久道郵船、久道運送、久道ケミカル研究所など、久道グループの関連企業が記されている。
彼はそれらすべての代表を務めているらしいのだが――。
「叔、父……様」
皇樹さんに次ぐ跡継ぎ候補として叔父がいるとは聞いていたけれど、予想と違った。なんというか、叔父というには歳が近すぎるような……?
「なにか?」
面食らった私を見て、洸次郎さんまで目を丸くする。
「あ、いえ、失礼いたしました! 皇樹さんのお父様にはお会いしたことがあったのですが、その――」
「ああ、兄と歳が離れすぎていて驚いたと?」
……見透かされてしまった。申し訳ない気持ちになって「すみません……」と恐縮する。
「歳の離れた兄弟なんです。ちょうど兄と皇樹の真ん中くらいの歳ですよ」
皇樹さんのお父様はもうすぐ還暦だと言っていたから、彼は四十代前半くらいだろうかと目算する。
跡継ぎとして名前が挙がるのも納得する。まさに働き盛りといった年齢だ。
「実はどうしてもあなたと一度、お話がしたくて、皇樹には内緒で会いにきてしまったんです」