告白

繋がり

繋がり

康二は、真子からの突然の返信に戸惑いながらも、嬉しさを隠しきれなかった。しかし、その返信はどこか不思議なものだった。「いつも返信しないけど、返信します」というメッセージ。まるで冗談を言っているようだが、そこには何か裏があるような気がした。さらに、既読がついていないにもかかわらず、次のメッセージが届いた。「食事に行ってもいいけど一人じゃ」…これはどういうことだろうか?康二は、自分のタイムラインが見られていたのかと考えたが、それだけでは説明がつかない不思議な感覚が残った。後に真子の友達に話を聞くと、その時、真子に何か大きな出来事があったらしいことがわかった。康二が送った小説も読んでいたらしく、友達から「実名で書かないで」と忠告されたこともあり、ますます彼は謎の深さを感じた。その翌日、康二は返信を待っていたが、なかなか返事が来なかった。しかし、さらに翌日、ようやくメッセージが届いた。「昨日は、バドミントンに行ってたから返信できませんでした。ごめんなさい」。康二は、一年間の空白の後に、このやり取りが始まったこと自体が奇妙に感じられた。真子とはLINEでのやり取りを続けていたが、電話をかけることもなく、電話番号すら知らない。この距離感が康二には何か「意図的」なものではなく、もっとスピリチュアルな、何か見えない力が働いているように思えてならなかった。現実と非現実が交錯する中、彼はその「繋がり」の意味を考え続けた。真子は、康二の問いかけに対してすぐに返信をくれた。驚くほどスムーズにやり取りが進み、ついに食事の約束まで取り付けた。真子の友達も一緒に来ることになり、康二は少し緊張しながらも楽しみな気持ちでその日を待っていた。しかし、現実は厳しかった。巷ではコロナウイルスが猛威を振るい始め、友達の提案で食事は延期することになった。仕方なく、康二は翌日に公園で会う提案を真子に送った。だが、ここで運命の分かれ目が訪れる。真子から「今日は用事がある」との短い返事が届いたが、そのわずか5秒後、突然LINEに既読がつかなくなった。彼女の応答が途絶えたのだ。康二は戸惑い、何度もメッセージを送り続けたが、既読は一向につかない。何が起こったのか理解できないまま、このやり取りは一週間続いた。彼の頭の中で疑問や不安が渦巻く一方で、真子との繋がりが急に途切れてしまったことが、康二の心を深く揺さぶった。その後3ヶ月間は何事も関係に変化はなく、康二も食事などどうでもよくなっていた。そして不思議な出来事が頻発して起こるようになる。
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