永久指名をしてあげる

Episode.00







「起きなさい」


『ー…。』



 大丈夫よわたし。

イライラしちゃダメ。
こうゆう時こそ冷静になるのよユウ。



「12時よ。起きなさい」


『ー…・』



 プチンと何かが切れる音が頭に響く。
と同時にわたしの手はナオが被っていた布団を
引っ張り投げていた。


『ー…‼なにすんだよ‼』

「何回起こしても起きないからでしょうが‼」


 これはもう、この家の日課になり始めていた。


「12時には1回起きなさいって言ったでしょ‼」

『昨日めちゃくちゃ飲まされて具合悪いんだから
寝かせろよ』

「駄目よ。ケータイ。ほら」


 手をひらひらさせるわたしを睨みつけるナオ。
そんな顔してもダメなものはダメ。


『ー…わかったよ』


 まだ目のあかないなかでも
ケータイを手に取り操作するナオ。

 なんだかんだで意外と素直だから。

 と。


『あー…。』

「どうしたの?」

『ブロックされてる』


 ー…。
ブロック確認の画面を見て肩を落とす。
これは連絡の送り方から教えないとー…。


 こうして今日も1日、わたしのプロデュース生活がはじまる。






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