永久指名をしてあげる
『あのホスト。あたしの弟なのよ』
「えええ⁉」
響き渡る大声に、しー‼と人差し指を
わたしの口元にあてると、小声で続けた。
『あたしは口出せないのよ。
だからアフターで連れてきてくれたら
サポートはするって言ったんだけど
まあ、見ての通り”ああ”だからもうお手上げでー…。』
確かに。
アフターのはずが不謹慎承知で言うと
まるで葬式のようだった。
女の子は気が弱そうな子で
何も言えないでいるのをいいことに
ホスト(マスター弟)はケータイいじりっぱなし。
「帰りたいんだろうなー…どっちも」
『毎回あんなんで、流石にあたしも着いてみたりしたんだけど
”ナオ”の方が盛り上げる気もなくて
結局あたしの方がって女の子の方がなっちゃってね。
そっから着くのNGくらってるのよ』
なるほどー…。