闇の龍神様と癒しの神子
十六夜は喜びのあまり踊るように海に潜っては泳ぎを繰り返した。

落ち着ついたのか十六夜は人型に戻ると全裸だったはずが、和装と洋装が混じった不思議な服装をしていたが最初に会った時とは違い、青色と黒色を基調として色が変わるだけで印象が変わる。
十六夜の美しさは変わらないが更に美しく高貴な感じで凛々しくて格好いい。


榛名は見惚れてしまい動けなくなる。

十六夜は榛名を強く抱きしめた。

『お前は本当に凄いな。早くて1年かと思ったら1日とはな…』
「ありがとうございます。十六夜様を近くに感じたら幸せで幸せで堪らなかっただけなんですが……」

『榛名が幸せを感じると力が覚醒したり凄い力を発揮できるって事か?』

「そうなんでしょうか?…十六夜様に恋をしてからのキスは幸せでした…私を神子や番だと言ってくださった時には最高に幸せで…私の力じゃなくて十六夜様の力です」

十六夜は榛名と見つめ合う
『そうか…だったらもっと幸せにしてしないとな。……榛名、正式に俺の番になってほしい』

「はい、よろしくお願いします」

お互いに抱きしめ合い、誓いのキスをした。




榛名が朝の湯浴みをしている間、十六夜は机の引き出しに隠した手紙を開封した。
玄武の翡翠が『もし貴方が本来の姿に戻った時に開けなさい』と渡されたものだ。

中身を確認すると少し眉がピクッと動いた。



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