闇の龍神様と癒しの神子
✱✱✱✱✱✱✱Side   雪愛   ✱✱✱✱✱✱✱

「きゃっ!雪愛様お許しください!」

「ハァ〜?許す許さないは私が決めんの。下位のアヤカシの番ごときが、誰に口ごたえしてんのよ!!お兄様やって」

「ああ」


「きゃああっ!!やめてぇぇ!!」

雪愛と同級生の女子は雪愛の虐めのターゲットになっていた。雪愛の言いなりの冬史郎は女子生徒に鞭を振るっていた。

女子生徒は気を失うと冬史郎は舌打ちをし仕方なくやめる。


「あーあー榛名はもっと虐めがいあったのにつまんなぁ〜い」

「生贄に行ったのはいいがストレス発散できないのはな」

「翼様、昨日ブランドの服買ってくれる約束すっぽかすし最悪〜」


雪愛と冬史郎はイライラが止まらなかったようで大きな声で話してた。



「榛名さんだけでは飽き足らず、愚かな事をなさっているのですね」

いつの間にか気を失った女子生徒の近くまできて介抱していたのは神代光希。

「み、光希様!突然倒れただけなんですよ」
雪愛は慌てていいわけをする


「榛名さんの事もそうです。忌み子だからとよく残酷な事ができますね。家族として守ってあげるべきでしょう。…今回の件は神代家当主に被害を報告させていただきますわ」

光希は雪愛と冬史郎を睨んだ。


「くっ!」

雪愛たちはその場から逃げ出した。






場を離れると雪愛は爪をギリギリと噛んだ


「本家の人間だからって最高位の天狗のアヤカシの番の私に何様よ!!狐なんて天狗の下のくせに!!」

「………」

イライラを隠さない雪愛とイラついている冬史郎。

そこに天狗のアヤカシ、翼がやってきた。


「翼様!昨日は私の家に帰ってこなくて心配したんだから!」

「翼様!お怪我が…なんて酷い」


「…っ、龍神にやられた」

悔しそうに体を引きずり、番の雪愛を抱きしめた。

「龍神ってただの守り神で実際はいないのでは?」

「いる。…島から出られない雪愛に頼まれて街に買い物西行っただろ?その時に忌み子に会ったんだ…」

「榛名に…!」
雪愛は目付きが鋭くなる


「島の…雪愛の為に生贄が生きてると災いが起きたらと、忌み子を殺そうとしたら龍神が出てきて逆にやられた!気を失いかけた時に龍神は忌み子を大事そうに抱きしめてキスしてたんだ…」


「生贄なのに?」

「龍神はどんな人だったの?」


「まさに神級の絶世の美形だった。相手は神の眷属、神獣だからな、地位も力も俺じゃ敵わない」



「絶世の美形…そんな方とキスを…?」

(忌み子の分際で私より上なんてありえない!!)


「榛名が生きているのか?そういえば光希様は生贄の時、榛名を庇ったり、榛名を何かと気にしていたから、光希様が手引きしたんじゃないか?」

冬史郎の言葉で更に怒りが増す雪愛。


何かを考えたのかクスッと嘲笑う。


「忌み子を庇うなんて島の裏切り者じゃん」


(光希も榛名も許さないんだから!まずは光希から…格下の番のクセに生意気だものね!)




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