闇の龍神様と癒しの神子
三ノ章
『な、なんだこれは〜』
「違います!そこは…」
『まてまて!……あ、終わってしまった…』
「私なんかより上達してます」
『そうだろう』
悲しそうな十六夜を励ますと十六夜は気持ちを持ち直したのかドヤる。
十六夜は基本的に寝るか、水遊びが殆どで稀に人のいる街に行ってるらしいが暇を持て余しているとの事で、ゲームを買った。
レーシングゲームでハンドル型のコントローラーを使うのだが、榛名も十六夜もゲーム自体初めてなので説明書片手に四苦八苦している。
「お茶は飲めますか?煎れてきます」
『ああ、頼む』
十六夜は次に遊ぶゲームソフトを悩みながら吟味していた。
(ふふっ。十六夜様、楽しそう)
外をみるとムクとミクは反芻中でまったり休憩していた。
ムクとミクの話しではここ最近の十六夜は凄く楽しそうにしているとお礼をいわれた。
「本当に何度目かな…神の力凄い」
東ノ島では電気ガス水道もない。
日本から見えない島なので仕方がない部分だが、この島は神の力(神通力)でライフラインが揃っている。
十六夜は全く使ってなかったそうだが、キッチンの装備や屋敷も大きい。
更にネットに繋がるとか神パワーが不思議で仕方がない。
「ついでにお金の出どころも謎だー…」
お茶を煎れながらバレンタインの贈り物を考えていた。
榛名は十六夜の感謝を形で伝えたかった。
一生牢屋か生贄で干からびるかだった人生を十六夜は救ってくれた。
自分にも価値や役に立てるんだと思わせてくれた。
「何か考えないと…」
もうすぐ1月も終わる。
榛名がそんな考えをしているとは知らない十六夜は、榛名とパズルゲームをやろうと考えていた。