闇の龍神様と癒しの神子
「なっ…忌み子のくせに私に逆らうなんて生意気よ!」
思い通りにならないとすぐ激昴する雪愛は榛名を殴りかかろうとする

「また折檻される!」と恐れた榛名は目を瞑ると、十六夜が交わし、榛名にキスをする。

まるで島の住人たちに見せつけるように、激しいながらも愛を確かめ合うようなキスを。

唇を離すと榛名を守るように自身の胸の中に抱きしめた。


『俺様の番に無礼を働くとは躾もできない小娘なようだ。…お前は天狗の番ごときで威張り散らしているそうだな。番がいながら俺様に求婚とはいいご身分だ』


「…っ!」


『お前は霊力が強いようだが神子には絶対になれない。榛名は霊力はないが神通力がある。霊力で例えるならお前たち全島民の霊力を合わせても敵わないほどの強い神通力だ』


「神通力…忌み子の榛名が?」
雪愛は気に入らないのか唇を噛む

「神通力ってなんだ?」
住人たちも初めて聞くようでザワザワしていた

清正が「神通力とは何かお聞きしても?」と失礼にならないよう尋ねる


< 52 / 110 >

この作品をシェア

pagetop