闇の龍神様と癒しの神子
十六夜はキスに満足すると榛名を離した。
『食うにしてもまずは肥えろ。ムク!ミク!こいつの世話をしてやれ』
「はいはいですぅ!」
「任せるなの〜」
「可愛い鹿…バンビちゃん?」
『こいつらは俺の使いだ。お前の世話をさせる』
「ハルナ様宜しくですぅ」
水色の子鹿がピョンピョン跳ねながら嬉しそうに挨拶する
「ハルナ様!宜しくなの」
ピンクの子鹿が恥ずかしそうに挨拶する。
十六夜は部屋を出ていった。
「お具合どうなの?」
そういえば高熱で気を失っていたんだっけと思いだし、自分の体を確認した。
生贄にされた時は服を脱がされ全裸だったが寝間着用の浴衣を着ていた。、島の住人や雪愛から受けた暴力の傷は塞がり、熱は下がっていた。
(うん……いつも通り)
「元気だよ」
「わぁ〜じゃあ湯浴みするですぅ?」
「ご飯食べるなの?ボクのドングリあるの!」
十六夜は屋敷の屋根の上に座っていた。
『榛名……あの女はやはり間違いない。………俺はあの女を絶対に手放すものか!』