闇の龍神様と癒しの神子
「さすが親父〜霊力消すなんて器用なことオレには出来ねぇわ」

「はははっ!そうだろう…あの女はこちらの物だ」

「雪愛がきっとオレに惚れなおすな。…っと、おい!この死にぞこないの龍神もどきを海に捨ててこい」

手下の天狗のアヤカシたちは十六夜が動けないことを確認し運んだ

「…十六夜になんてことをするわん…!!」
葵は体が動けず、何もできなかった。

「まだいたの?助け呼ばれたら面倒だし消えろよ!」

翼は剣を振りかざし葵を斬ろうとしたが、葵は海鳥の姿になり間一髪で逃げる。

「チッ」
翼は舌打ちした


「まぁ…いいだろう。あれだけボロボロなんだ助けを呼ぶ前に消える命だろう」
天狗の当主は機嫌が良い。

「オレは雪愛のところに行ってくるか〜」



十六夜は微かな意識だけは保ったものの、体は動かなかった。


天狗の手下たちにより崖から海に放り投げられた。



沈みゆく中、最後の気力を絞り榛名から贈られたモリオン(黒曜石)のペンダントを握りしめた


意識が薄れ目を閉じようとした瞬間、モヤモヤした気配を感じたまま意識を失っていった十六夜。





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