白球を天高くかざせ乙女たち!

「太陽、俺はずっとお前を待ってる」
「そんな俺なんかが……」

 雷闇は僕の返事を待たずに背を向け、片付けを始めているチームメイトのところに戻っていった。

「月、今の話って何だったの?」
「さあ? 太陽もそのうち自分でわかるんじゃないかな」
「ちょっと待てぇぇーッ、そこッ!」

 月に質問したけど、はぐらかされてしまった。
 間髪入れずに火華が月と僕の間に割って入って、下から睨め付けながら低い声で威嚇された。

「お前、昨夜、月に変なことしてないだろうな?」
「そっそんな、とんでもない!」
「四天王に対して馴れ馴れしいぞ、この変態、助平、変質者め!」

 ひどい。
 敬語禁止って言われたから、これでも頑張っているのに……。

「火華、実はね……」

 月が火華に事情を説明した。
 彼女の顔は赤くなったり、青くなったりと見ていて心配になってきた。

「……じゃあ」

 顔を下に向けて両手を握りしめ、聞き取れない声でつぶやいた火華は、次の瞬間、急に顔を上げて僕を睨みつけて叫んだ。

「私のことも火華って呼べよッ!?」





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