【ピュアBL】キミと羊毛フェルト、そしてぬい活。

5*叶人視点 一番の。

「可愛い!」

 僕は完成したうさぎのもっふんちゃまと目が合った瞬間、叫んだ。

 陽向くんが家に泊まってくれて、朝からも一緒に制作作業をしていた。昼が過ぎた頃、ついにうさぎのもっふんちゃまは完成した。「顔を可愛くできる自信がないから、やってほしい」と陽向くんがお願いをしてきた。鼻と口と頬、そしてつぶらな目の位置はうさぎのもっふんちゃまの顔を何回もネットで確認しながら、僕が作った。

「叶人は、可愛くするのも上手だな」
「顔は大事だからね、可愛くできてよかった! 陽葵ちゃん、喜んでくれるかな?」
「想像以上に上手く可愛くできたし、陽葵の反応が楽しみだ。叶人、ありがとな!」

 陽葵ちゃんが喜んでくれるのも嬉しいし、陽葵ちゃんが喜ぶと陽向くんも嬉しくなる。そしたら僕も嬉しくなって、幸せな気持ちになれるんだ――。

 どうか喜んでくれますように!

「ラッピングはうちで、こそっとやるわ」
「うん、分かった」

 うさぎのもっふんちゃまを陽向くんに渡す時、陽向くんの手と僕の手が触れて、僕の全身がビクッとなった。
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